「今後も看護師に需要はあるのか」という不安を抱えている人もいるかもしれない。医療業界の中でも、看護師の人手不足は深刻である。仮にこの人手不足の問題を解消できたとしても、需要が少なくなることは考えにくい。その要因の1つとなるのが、高齢者の増加の問題である。既に少子高齢化の状態ではあるが、今後はさらに高齢者が増えていくことが考えられる。医療技術が発達している分、人の寿命は延びているため、総人口のうちの高齢者が占める割合は増えていく一方なのだ。そのことを考えると、今後も看護師への需要は高まっていくのが自然だと言える。
また、高齢者が増えたことによって、看護師の活躍するシーンも増えている。病院や診療所での勤務が看護師の働く場所であるが、それ以外に介護施設でも看護師としての仕事を求められることが増えている。介護施設では、主に利用者の健康を管理するのが看護師の仕事となる。介護施設では、利用者によっては体調が変化しやすい人もいるため、徹底して健康状態を管理しなくてはいけない場合もあるだろう。この介護施設の利用者は増加傾向にあるため、今後は医療機関だけでなく介護施設での需要も高まる可能性が大いにある。
医療機関だけではなく介護施設にも看護師の需要があるのは、看護師にとっては良いことだろう。「どちらの職場で働くか」という選択肢が増えるし、自分にマッチする職場を見つけやすいからだ。人の生命を扱う医療の現場においては、迅速な判断や処置が求められる。一つ一つ作業が丁寧で遅い人は苦労を感じる部分もあっただろう。しかし、介護施設ではスピードよりも丁寧さを求められる。そのため、医療現場のバタバタとして雰囲気に慣れなかった人でも、介護施設であれば看護師としての技術を活かせる可能性が高いのだ。