看護師が不足していることは今も昔も変わってはいない事実だが、どんな看護師に需要があるかは変化してきている。医療や介護の充実を目指す社会的トレンドが生まれた影響で、病院や介護施設では看護師の確保が急務になった。その勢いが激しかった時期には、資格を持っているなら経験がなかったとしても雇いたいという現場が多かった。現在でもなお人材確保が難しく、未経験の看護師でも積極的に採用している施設は少なくはない。しかし、最近ではこのようなスタンスでの採用を行わなくなっている施設も多くなっているのが実態だ。
未経験の看護師を雇っても、戦力になるまでには年月がかかるのは明らかである。そのためのコストをかけていられない施設も増えているのだ。このことから、教育期間がかからない戦力となる看護師を優先的に採用したいという施設が多い。スキルや経験があり、現場に慣れたらすぐに戦力となるような看護師の需要が高まっているのが現状だと言えるだろう。教育などにコストをかけるくらいなら、すぐに役立つ人材を獲得するのにコストをかけようという動きもあり、人材紹介を利用して看護師を確保するケースも増えてきた。
看護師にとっては、経験を積めば高い待遇で働けるところに転職できる機会が多くなっているというメリットがある。実務の経験がない人も、採用してくれる施設を探して数年の経験を積むだけで人材としての価値が大幅に高くなる。魅力的な待遇で雇ってくれるところを見つけられる可能性は十分にあるだろう。